免疫力を上げるためにするべきこと
神戸市東灘区御影の三井吉時鍼灸院の三井です。
昨今のコロナ禍が激しくなり、テレビ報道を見るとますます不安が増してしまいます。予防のためにマスクを必ず着用したり、手指の消毒をこまめにしたり、三密を避けたり。そんな中、コロナ対策のために「免疫力を上げる」にはどうすればいいのかというご質問をたびたび受けることがあります。
本来免疫はしっかりと機能しているものなのですが、疲労が蓄積していたり、睡眠が少なくなっていたり、ストレスがたまっていたりと、様々な要因で免疫力が低下していることもあります。
免疫力は上げるのではなく、本来のパフォーマンスを発揮できるよう「元に戻す」のです。免疫力を戻すために大切なことをご紹介します。
目次
口ではなく鼻で呼吸すること
人間は元々鼻で呼吸をする生き物です。様々な要因があって口呼吸になっていることが多くあります。鼻呼吸と口呼吸の大きな違いは、鼻で呼吸すると粘液や鼻毛が細菌やウイルスの侵入をある程度防いでくれます。
口で呼吸すると、のどの粘膜まで細菌やウイルスの侵入を許してしまい、さらに口の中が乾燥して唾液での潤いがなくなります。すると粘膜に付着した細菌やウイルスが細胞内や気管に侵入しやすくなってしまいます。
日常的に食べる油に気を配る
これにはメタ炎症というものが関係してきます。メタ炎症というのは、ケガをしたり、潰瘍ができたり、体の一部だけに炎症があるのではなく、全身的に極軽度の炎症が見られる状態のことです。
このメタ炎症はサイトカインの産生を促してしまうので、コロナ報道初期に騒がれていたサイトカインストームが起こりやすい状態になります。簡単に言うと免疫の過剰反応です。この免疫の過剰反応を防ぐためにはメタ炎症がない体の状態にしていくといいわけです。
メタ炎症の最大の原因と考えられていて日常的に摂取する割合が多いのが、サラダ油などの植物性の油と言われています。ですのでサラダ油を控えるようにしてください。コンビニやスーパーのお惣菜の揚げ物も減らすことをお勧めします。
糖尿病の方が感染しやすい、重症化しやすいのは、糖尿病患者の方はメタ炎症を持っていることが多いということも原因として考えられます。
常在菌を大切にする
過度の消毒や殺菌は、私達の体に存在する常在菌を殺してしまいます。アルコール消毒や洗剤で手を洗うことが過度になると、手がカサカサになってしまいますが、このカサカサの状態は皮肉なことに、皮膚のバリアが機能せず、皮膚に潤いがないため付着した細菌やウイルスが直接触れやすくなります。これでは逆に免疫力を下げてしまっています。
また多様な常在菌がいなくなれば、外様の菌が付着した後、一気に栄養を独り占めし繁殖してしまいます。1つの菌が異常に増殖すると病気になりますが、多様な菌が少しずつ存在する状態は、それぞれが異常に増殖せずバランスが取れた状態となり、この状態が実は健康な状態なのです。
むやみに常在菌を除菌することは、免疫力の低下につながります。
コロナ禍を乗り越えましょう
今年の春から大騒動となった新型コロナウイルスですが、年末になっても一向に収まる気配がありません。しかし人類はこれまでもあらゆる病原菌やウイルスと戦って生き残ってきました。インフルエンザやロタと言った、割と日常的に耳にするウイルスも完全に無くなることはなく、今も空気中には目に見えないだけで無数に存在しています。少しでも有効な手段を講じて感染対策をしていきましょう。
三井吉時鍼灸院 鍼灸師・柔道整復師 三井茂